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【体験談】道路面に面してない横向き玄関のメリット

一般的に玄関というと道路側に面しているイメージがあるかと思います。

全体の配置やバランスなどを考えた結果、最終的には我が家も玄関を正面に(道路に面して)つけることになりましたが、元々は家の横側、道路から見えない間取りを希望していました。
この記事では、なぜ、私が横向き玄関を希望していたのか。また、玄関を横向きにするとどんなメリット・デメリットがあるのかについて解説します。

このブログでは、元外構マンで現在は高齢者や障がい者を専門に住宅のリフォームを手掛ける会社に勤めるさきさきパパが、外構や福祉住環境を切り口に家づくりについての情報を発信しています。
宅地建物取引士の資格を活かし、外構業者で働いていた時には建売住宅の販売業務を、現在は相続物件の相談業務も行っています。

プロフィール
保有資格:宅地建物取引士
建築業界歴:8年(2024年時点)
(内、職人歴:1年 外構・エクステリア専門店:5年 福祉建築会社:2年)
2児の父(完成当時:6歳の長女、1歳の長男)
2017年 築40年以上の中古物件購入
2022年 セキスイハイムでマイホーム完成(建て替え)
2024年 ESSEonlineの「日刊住まい」にてライター(ペンネーム:玉城夏海)として活動

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横向き玄関をおすすめする理由

建て替える前の家の玄関が横向きだったこともあって、私も妻も間取りを考える際に、要望の一つとして玄関を横向きにしたいと考えていました

建て替え前の間取り
1階間取り・配置図

玄関を横向きにしている家が少ない理由をハウスメーカーの営業担当さんに聞いてみても、特に理由はないようで、お客さんから要望がない限りは基本的に正面にするとのことです。正面に玄関が無い場合、正面から建物を見た時にのっぺりした感じの外観になるので、デザイン性を考えると正面の方が良いのかもしれません。

結論を先に述べることになりますが、玄関を道路に面しない横向きにするメリットとしては次の4つをあげることができます。

・プライバシーを確保できる
・子どもの飛び出し防止などの安全対策
・壁面後退
・前庭の有効活用

ちなみに、元同僚の山田さんは玄関を横向きにしてるということなので、玄関は横向きがいいというのは外構屋ならではの意見なのかもしれません。

特に気にしてなかったけど、うちは玄関は横向きですね。

山田さんのプロフィール
我が家の外構担当。
さきさきパパが外構会社で働いていた時の同僚で、現在はセキスイハイムの外構部門で勤務。
植木職人として働いていた事もあり、植栽の知識も豊富。

なぜ、外構屋ならではの意見と思うのかというと、新築外構の際に玄関まわりの目隠しについてはよく相談される内容の一つだからです。

玄関まわりの外構デザインのポイントについては下の記事を参考にしてみてください。正面に玄関がある場合にどうやって道路からの視線を遮るのかについても考え方が書いてあります。

プライバシーが確保できる

なぜ玄関を横向きにしたかったかというと、ひとえに道路からの視線が理由になります。

玄関が正面にあると、家のドアを開けた際に家の中が丸見えになってしまいます。玄関ホールだけならまだ良いのですが、間取りによっては玄関ホールからリビングまで丸見えなんてこともありえます。

玄関

一方で、玄関が横向きの場合、扉を明けたときに道路から家の中が丸見えになる心配がありません。

横向きの玄関にもプライバシーや視線に関して注意点があります。それはお隣との位置関係です。
玄関が横向きの場合のデメリットとして、玄関を開けたら目の前にお隣のトイレの窓があるなんて事もあり得ます。そういった場合には境界に目隠しなどを付ける必要が出てきます。

子どもの飛び出し防止などの安全対策

玄関を横向きにすることで道路からの距離を取ることができます。小さな子どもがいる場合、玄関を開けてそのまま道路まで走っていかないか心配ですよね。
玄関を横にしておくと、道路までにワンクッションおくことができるので、子どもの飛び出し対策として一定以上の効果があります。

子どもって何も考えずに走って行っちゃうんですよね・・・

外壁後退が必要

プライバシーや安全面で横向き玄関が良いと考える主な理由ですが、ついでに理由をあげるとすると外壁後退があります。

外壁後退は、第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、田園住居地域などで適用される建物の外壁と敷地の境界線までの距離を制限することを指します。
この制限は、敷地の境界線には道路と隣の土地との境界線がありますが、どちらの境界線からも一定の距離を確保する必要があります。
具体的には、外壁後退の基準として1.5メートルまたは1メートルが設けられています。つまり、建物の外壁と敷地の境界線の間には、少なくとも1.5メートルまたは1メートルのスペースを確保しないといけません。

外壁後退によって、建物と敷地との距離が確保されることで、日光や風が建物周辺に届きやすくなります。

さきさきパパの住んでいる地域では、1mの外壁後退が必要でした。

最低でも1m、境界から建物を離さないといけないなら、玄関アプローチとして使ってしまって空間を有効活用しようという考えです。

アプローチとして幅1mはちょっと狭いので、実際に設計するとしたら1.2m程度の幅になるように計画を立てます。

前庭の有効活用

また、玄関を横向きにすることで前庭を駐車スペースとして有効活用がしやすくなります。

玄関が横向きになることで必然的に玄関アプローチは敷地の端になり、車を止める際に障害になりかねない玄関ポーチや門柱、宅配ボックスなどを、駐車スペースと干渉しない位置に配置しやすくなります。

よく、近所を歩いていても、「玄関の位置をずらしたら軽自動車であればあと1台止めるスペースが確保できたのに!」と思う配置の家は多くあります。

駐車スペースにいては、将来のことも見据えて広めに確保しておくことをオススメします
今は1台しか車がないからそんなに駐車スペースが要らないという場合には、ガーデニングスペースなどにしておいて、十年後ぐらいに外構リフォームで確保することも可能です。

この記事の中で、快適な駐車スペースの作り方について解説しているので、ぜひあわせて読んでみてください。

アプローチに奥行きがでる

玄関を横向きにすると、玄関までの距離ができアプローチに奥行きができます。
道路から玄関までの距離ができるので、アプローチの間で植栽スペースを作ったり、置物で演出を楽しむことができます。

また、玄関まで距離があることで玄関ポーチの階段を緩やかにでき、将来的に車椅子などを利用することになった場合には、玄関から道路までスロープを作りやすくなります。

車椅子を介助者に押してもらう場合
スロープの長さは段差の約6倍、傾斜角度は10度が目安になります。
30の段差高の場合:180cmのスロープが必要になります。

車椅子を自分でこぐ場合
スロープの長さは段差の約12倍傾斜角度は5度が目安になります。
30の段差高の場合:360cmのスロープが必要になります。

スロープは高齢者のだけでなく、子育て世帯でもベビーカーに子どもを乗せてお出かけするときに便利です。

横向き玄関のデメリット

道路を道路に面した横向きにした場合、プライバシーの確保が容易になる一方で、防犯面でのデメリットがでてきます。玄関が外から見えないので不審者がいても分かりません。

また、玄関がないことでデザインがシンプルでのっぺりとした外観となってしまいます。特に、北側道路に面した家の場合北側は窓が少なくなる傾向にあるため、道路から見える外観は外壁のみで味気ない外観になってしまうかもしれません。

横向き玄関における外構ポイント

道路面に面していない横向き玄関をデザインする際の外構のポイントをいくつかご紹介します。

玄関アプローチを明確にする
横向き玄関の場合、道路から玄関が見えにくいので、来客者が玄関位置を把握しやすくするためにも玄関アプローチが分かりやすいデザインにしたほうがいいです。具体的には、玄関アプローチだけ素材を変える、植栽や門柱などで視線を誘導するなどが考えられます。

防犯対策
 見えにくい玄関は防犯上のリスクが増すことがあります。センサーライトや防犯カメラを設置し、暗くなりがちな場所をしっかりと照明することで、防犯効果を高めましょう。

隣の家からの目線
玄関を横向きにした場合、道路からの視線を遮ることが出来ますが、隣の家の視線が気になる可能性が出てきます。玄関の正面が隣の家のトイレやお風呂の窓があったり、リビングの窓があるなどの場合は気まずい思いをすることになります。

④シンボルツリーなどでアクセント
横向き玄関のデメリットで解説したように、玄関が道路から見えないことで建物がのっぺりとした外観になってしまいがちです。なので外観・ファサードのアクセントとなるようなシンボルツリーを用いることをお勧めします。

物置のカンナなどもアクセント・フォーカルポイント(目線を引くポイント)としてオススメです。

横向きを諦めた理由

なぜ、横向き玄関をオススメしているにもかかわらず、玄関の位置を道路に面して正面にしたかというと、LDKの配置を優先からです。

お庭へのアプローチはキッチンではなくリビング側に作りたかったので、キッチンの位置も自動的に決定されました。

現在のリビングの配置で玄関を横向きにしようとすると、玄関からLDKに入る際にキッチンのすぐそばに出入口を作る必要が出てきてしまいました。さすがに、来客があった際にそれは嫌だという判断になり、玄関の位置を道路側にすることにしました。

子どもの友達が家に遊びに来た時にシンクが丸見えになるのは嫌だな・・・。

ちなみに、軽自動車が止まってる駐車スペース側に玄関を作ることは、車が止まっている際に玄関へのアプローチが狭くなるので即没になりました。

駐車スペースの確保など、全体のバランスを見ながら配置していくと正面向きの玄関しか選択肢がありませんでした・・・。

セキスイハイムの間取りに、もう少し柔軟性があれば方法もあったんですが…。

【まとめ】間取りは優先順位の整理が大切

注文住宅で間取りを考える際は優先順位を整理することが大切です。あれもこれもと詰め込むと、動線が破綻した使い勝手の悪い間取りになってしまいます。

LDKやキッチンの位置を優先したことで、玄関の位置については希望通りにはなりませんでしたが、門柱を玄関からずれた位置につける工夫をすることで、玄関を開けたときにインターフォンの前に建っている人から家の中が丸見えにならないようにはしています。

また、玄関のプライバシーについては、玄関ポーチからの(子どもの)落下防止もかねて外構で目隠しを考えています。

ただし、ポーチが広くないで目隠しを設置するとむしろ不便になるのではと悩んでいます・・・。

子どもがもう少し大きくなったらポーチから落ちる心配をしなくてもいいから、使い勝手を考えると目隠しはない方がいいな?

そもそも、子どもが大きくなたら今みたいに玄関前で渋滞になる事も少なくなるから、目隠しを付けてもそこまで使い勝手は変わらない?

例え、間取りで要望を叶えられないとしても、インテリアやエクステリアなどを工夫することで要望を叶えることができる可能性もあるので、色々と頭を悩ましながら間取りを考えてみてください。

我が家では、ほぼ2か月間、子どもが寝静まった後に方眼紙を切ったりしながら間取りを話しあっていました。

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家は一生のうちで一番高い買い物。できるだけ、いろんな会社やプランを吟味して選びたいですよね。
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わが家は全部で20社近い近いハウスメーカーや工務店を回りましたが、ものすごく疲れたし時間がかかりました。

特に、小さな子どもを連れているとまともに話を聞くの難しいかと思います。だからこそ、実際に足を運んで地元の業者に相談しながら同時に「タウンライフ」などの一括見積サイトの活用をおススメしています。

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