大手電力10社のうち関西電力を除く9社が液化天然ガス(LNG)や原油など発電燃料の価格上昇を反映し値上げを発表、標準的な一般家庭において2024年1月請求分より請求金額が5〜49円高くなるとのことです。エネルギー代が値上がりしている昨今、太陽光パネルをつけたことで本当に電気代が抑えることができるのか?設置費用を実際に回収することは可能なのか気になりますよね?
正直、さきさきパパ自身は太陽光パネルに関してつけた方がお得で元も取れるという宣伝文句は懐疑的で、電気の買取価格が今の倍以上あった10年前ならまだしも、今は取り付けたところでそんなにメリットはないのでは・・・。と思っていました。
太陽光が標準仕様の商品だったので太陽光を屋根に乗せていますが、太陽光がオプションだったら多分、付けていないかったと思います。
今回は、太陽光パネルの経済的効果について2023年の数字を見ていきながら太陽光パネルを付ける意メリットについて確認してみようと思います。
このブログでは、元外構マンで現在は高齢者や障がい者専門に住宅のリフォームを手掛ける会社に勤めるさきさきパパが、外構や福祉住環境を切り口に家づくりについての情報を発信しています。
プロフィール aboutさきさきパパ
保有資格:宅地建物取引士
2児の父(完成当時:6歳の長女、1歳の長男)
2017年 築40年以上の中古物件購入
2022年 セキスイハイムでマイホーム完成(建て替え)
わが家のスペック
電気代や売電価格などの報告の前に、まずは我が家のスペックについて簡単に説明します。
◆ハウスメーカー:セキスイハイム
商品:スマートパワーステーション
◆太陽光パネル:6.48kw
◆蓄電池:9.9kw
◆オール電化
◆関西電力
◆地域区分:6地域
◆UA値:0.51
◆C値:1.50
地域区分とは、全国の市町村を寒冷地から温暖地まで8つの地域に区分したものです。 住宅に関わるエネルギーの使用の合理化に関する建築主の判断の基準を定めるべく制定されました。
ちなみに、8は沖縄で7は宮崎県や鹿児島県、6は瀬戸内海や太平洋に面した地域となっており、さきさきパパが住んでいる地域は比較的暖かい地域になります。
UA値とは、家の断熱性能を表す数値です。
家の中の熱は、壁や屋根、床、窓などの外皮を伝って、外へ逃げていきます。UA値は、その熱の逃げやすさを数値化したもので、UA値が小さいほど、熱が逃げにくく、断熱性能が高い家になります。
UA値は、地域によって基準が定められており、東京都において省エネ住宅のUA値の基準は、新築住宅の場合、0.87以下となっています。
C値とは、家の気密性能を表す数値です。
家の中の空気は、壁や窓、ドアなどの隙間から、外へ逃げていきます。C値は、その隙間の大きさを数値化したもので、C値が小さいほど、隙間が小さく、気密性能が高い家になります。一般的にC値が1以下の家を高気密住宅と言うようです。
ちなみに、我が家の1.5という数字は延床面積 100 m2(約30坪) の家の場合、家のすき間の合計が150 cm2(はがき 1 枚程度)という計算になります。
ちなみに、セキスイハイムのスマートパワーステーションについてはこちらの記事を参考にしてください。
太陽光パネルによる節電効果
以前は、太陽光で発電された電気は、そのまま電力会社に売って、自宅で使用する電気については電力会社から買うというスタイルが一般的でした。しかし、最近は太陽光発電と蓄電池をセットで設置する家庭が増えており、自宅で発電した電気を自宅で使用するスタイルに変わってきています。
太陽光発電で発電された電気は、まず蓄電池に貯められます。蓄電池が十分に充電されると、余った電気を電力会社に売ることができます。また、蓄電池に充電しながら、冷蔵庫などの家電を動かすために電気を消費することもできます。
蓄電池に電気を貯めて、蓄電池に貯められた電気を消費し無くなってから電力を買うことで電気代を抑えることができます。
2023年の1月から12月の間に太陽光パネルで発電した電力と、売電した電力量と自分たちで消費した電力、そして電気会社から買った電力量については以下の様になっています。
発電電力 | 売電量 | 自家消費 | 買電量 | |
1月 | 504kWh | 193kWh | 311kWh | 797kWh |
2月 | 515kWh | 141kWh | 374kWh | 727kWh |
3月 | 896kWh | 381kWh | 515kWh | 606kWh |
4月 | 860kWh | 492kWh | 368kWh | 292kWh |
5月 | 1,055kWh | 667kWh | 388kWh | 164kwh |
6月 | 986kWh | 488kWh | 480kWh | 105kWh |
7月 | 1038kWh | 455kWh | 583kWh | 107kWh |
8月 | 1020kWh | 663kWh | 357kWh | 181kWh |
9月 | 869kWh | 417kWh | 452kWh | 140kWh |
10月 | 750kWh | 426kWh | 324kWh | 150kWh |
11月 | 530kWh | 349kWh | 181kWh | 258kWh |
12月 | 463kWh | 174kWh | 289kWh | 687kWh |
この電力量を金額に直したのが下の表になります。
経済効果 | 売電価格 | 自家消費 | 買電価格 | |
1月 | 9,501円 | 3,281円 | 6,220円 | 27,000円 |
2月 | 9,877円 | 2,397円 | 7,480円 | 19,931円 |
3月 | 16,777円 | 6,477円 | 10,300円 | 16,255円 |
4月 | 15,724円 | 8,364円 | 7,360円 | 8,672円 |
5月 | 19,099円 | 11,339円 | 7,760円 | 5,386円 |
6月 | 17,896円 | 8,296円 | 9,600円 | 4,246円 |
7月 | 19,395円 | 7,735円 | 11,660 | 4,163円 |
8月 | 18,411円 | 11,271円 | 7,140 | 5,348円 |
9月 | 16,129円 | 7,089円 | 9,040 | 4,523円 |
10月 | 13,722円 | 7,242円 | 6,480 | 5,060円 |
11月 | 9,553円 | 5,933円 | 3,620 | 7,084円 |
12月 | 8,738円 | 2,958円 | 5,780円 | 15,139円 |
売電価格=17円(2022年度固定価格買取制度)
自家消費=20円
1月から12月での電気代の削減効果はなんと174,822円
売電価格については毎年価格が見直されており、電力会社と売電契約を結んだ日時から10年間はその年に決められた売電価格で電気会社に買い取ってもらうことが可能となっています。
我が家は2022年度に契約を結んでいるので買取価格は1kWhあたり17円となっています。
電気料金については関西電力の「はぴeタイムR」に加入しており、季節や時間帯によって電力量料金単価が異なるメニューとなっています。日中は太陽光パネルで発電した電気を、夕方以降は蓄電池に溜まった電気を使用しており、冬場の暖房をガンガンに使用している時でもでも22時ぐらいまでなら蓄電池の電力で生活が可能です。
蓄電池に貯められた電気を使用しているのはリビングタイムなのですが、ナイトタイムまで充電が持っている日もあるので、ここでは計算しやすいように自家消費の電気については20円/kwhとして考えています。
年間の電気代と売電価格
電気代の合計(1年間):122,807円
売電価格(合計):82,382円
自家消費した電気代の合計:92,440円
(参考)
関西電力における4人暮らしの一般的な年間の電気代は198,396円
(2020年~2021年の年間使用量の平均値より)
何年で設置費用を回収できるのか
関西電力は原子力が動いているということもあって、他の電力会社と比べると電気料金が低く抑えれていますが、東京電力だと「1kWh=30円」ということなので太陽光パネルの効果はかなり大きくなります。
冬場は日照時間が短いので太陽光があっても電気代が高くなってしまいますね。
ただ、4月には自家消費の分を差し引いても売電価格と電気代がトントン、5月から10月にかけては完全な黒字となっています。
太陽光パネルについては、屋根に標準搭載のため家を建てる際の見積に太陽光パネルの費用が出てこななかったので、ここでは一般的な相場である150万円として計算しようとおもいます。
蓄電システムについては、概ね143万円となっているので合計で293万円を設置費用とします。
太陽光設置費(6.48kWh):150万円
蓄電システム(9.9kw):143万円
設置費用合計:293万円
年間の経済効果については、174,822円。
10年間は売電価格の買い取り金額が17円と固定されているので、まずは10年間の経済的メリット(①)を計算します。
174,822円×10年=1,748,220円(①)
次に、設置費用からこの金額を引きます
2,930,000円-1,748,220円=1,181,780円(②)
10年目以降については、残りの金額(②)について年間の自家消費電力(③)と年間の売電額(④)で何年で元が取れるようになるのか計算していきます。
年間自家消費電力
92,440円(③)
固定買い取り制度が終了した10年以降はの売電価格については、1kWhあたり10円程度になると言われているの、とりあえず10円として計算したいと思います。
10年目以降の売電額
4,846kWh×10円=48,460円(④)
10年目以降の1年間当たりの経済的メリット(③+④)については
92,440円+48,460円=140,900円(⑤)
最後に、残っている金額(②)から年間の経済的メリット(⑤)を割ると
1,181,780円÷140,900円=8.39年
したがって、18年5ヶ月で元が取れる計算になっています。
太陽光業者のHPを見る限りでは15年ぐらいで元が取れる計算みたいですね。
実際に、自分で計算をしてみた結果や太陽光パネルを設置している会社のホームページを見る限りでは、元が取れるまでに15年~20年ぐらいかかる感じかと思いますがが、今後、蓄電池の金額も下がってくるかと思われるので、将来的には15年よりも早く元が取れるようになるのではないでしょうか?
まとめ:余裕があるなら太陽光と蓄電池は設置すべき
太陽光にとって年間の経済効果については、174,822円ということがわかりました。
わが家のスペック
◆太陽光パネル:6.48kw
◆蓄電池:9.9kw
太陽光と蓄電池の組み合わせて、年間177,748円の経済的メリットがあることがわかりました。
(10年目以降は140,900円)
今後、電気の買い取り価格は下がっていくことになると思いますが、一方で電気代についてはますます上がっていく可能性があります。そうなってくると、電気の自給自足をすることで電気代を大きく削減することができます。
設置費用の元を取るのに15年~20年程度かかるかもしれませんが、それ以降は完全な収入になります。
もし家を建てる予算に余裕があるなら、太陽光と蓄電池は設置をオススメします。
月々の電気代が安くなって、無理な節約をする必要がなくなるから精神的にも余裕が生まれます!
また、電気を自給自足できる環境があることで災害時でも電気がある生活を送ることが可能です。
もしもの時の備えという観点からも太陽光発電と蓄電池の組み合わせは有効かと思います。
蓄電池の寿命は10年~15年程度と言われています。
今回のこの記事では蓄電池の買い替えなどのメンテナンス費用は考えていません、さきさきパパとしては、こうしたメンテナンス費用を考慮したとしても、日々の電気代を気にしなくてすむのは精神的に楽なので、太陽光と蓄電池の導入はオススメしますが、実際に導入するかどうかについては立地条件や費用などを十分に考量して検討してみてください。
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